ある夏の日に僕は暑さからくるいらだちをまぎらわすために蟻を殺した。 すると暑さは吹っ切れたように感じた。 次の年のある夏の日、僕は暑さからくるいらだちをまぎらわすためにまた蟻を殺した。 …まだイライラする。 そして僕はカブトムシを殺した。 …ふぅ…

「あっついなぁ…」 俺は誰に言うでもなく、ぽつりとつぶやいた。 応える声などあるはずがないのに、無意識のうちにつぶやいていた。 今年の夏は、とにかく暑い。 とろくなものを作る気にもならず、つい夏バテになりそうだ。 現在俺は、それなりに大きな一軒…

子供のころから俺はいじめられっ子。 強いやつに逆らえない気の小さい少年だった。 18歳になって変わろうと思い家を出て就職した。 やがて生活も落ち着いてきて昇格もし、生活が豊かになってきた。 「やっぱり嫌な思いをした分、後からいいことが返還される…

金のランプを拾った。 子供の頃に見た事がある。 魔法のランプ。 しかし、目の前で妖しげに光るそれは絵本の中の空想などでは無く現実だ。 ゴクリ、と息を呑んでランプを擦る。 果たして―― 視界を覆うほどの煙と共に現れたのは、絵本に描かれていた魔人その…

いきなりの雨にうたれながら僕は雨宿りできそうな所を探してた… すると、目の前の白い家のドアが開いた。 優しい人が開けてくれたのかな？ そんな事を考えながら中へ入る。 中には何もない真っ白なへや… 唯一中央に立札。 そして、目の前の壁にドアが3つ右と…

俺は所謂ヤミ金ってやつを生業としている。 あまり褒められた職ではないがこちらも仕事だ、情けをかけてる余裕なんざない。 今も金を借りといて返さない輩がいやがるからちょっくら催促するか。 「オイテメー、人様に金借りといて返さないたぁどういう了見だ…

このアパートで1人暮らしを始めてもう一年か… 長くもったものだ… というのもこのアパートで昔殺人事件が起きたらしい。 しかも、死体の首から上が切断され、まだ見つかってないという。 そして、事件以来アパート内で相ついで怪奇現象が起こるようになったそ…

私の旦那は、何も家事を手伝ってくれない。 ごみ捨ても洗濯も食器洗いも全てが私の仕事。 買い物に行っても、自分の酒の肴だけを買い物かごにそっといれるだけだ。 そんな旦那にも家事の大変さを知ってもらおうと仕事帰りの旦那にメール。 『あした、サンド…

高校に入って私は新しいことに挑戦するんだ！ 新しい自分になるんだ！ いつも周りから天然と言われる私は一年生の女子高生！ そこそこ楽しい学校生活も満喫して満足している。 お母さんを小さい頃に亡くしてからお父さんは一人で私を育てた。 とっても優しい…

ついこないだネットで知り合った友人たちと、オフ会をすることになった。 「A」は社会人で、かなりの金持ちらしい。 これは奢り期待できそうだ… 「B」は高校生で私より一つ年上の男性らしい。 「C」は私の親友。ずっといっしょにいる。 こんなメンバーでオフ…

今日は中学時代の同窓会。 あれから12年経つ。 皆変わってるんだろうな。 特にオレは変わった。 中学時代のオレはデブで、好きな女の子にも気持ち悪がられたり無視されたり、従姉妹にも口をきいてもらえなかった。 女の子と話した記憶もない。 それが、今は…

久しぶりに自室の掃除をしていると、押し入れの奥から古いぬいぐるみが出てきた。 くまのぬいぐるみで、ベージュ色だったはずの布地は茶色に変わり果て、あちこちから綿がはみ出している。 たしか小学生くらいの頃にこのぬいぐるみが大好きで、散々連れ回し…

12歳。 母がいなくなってから何年になるだろう。 母は強く優しい人だった。 と、言ってもまだ子供だった僕には強さだのはわからなかったが… 家族みんな仲が良く、けんかなんか一回もなかった（あったといえばあったが）。 僕には22歳の兄がいる。 眼鏡をかけ…

トイレットペーパーがないことに気付いた俺は、さっきトイレットペーパーを買いに行った。 これでゆっくりトイレができる。 そんなことを考えつつ、さっそくトイレへ向かった。 全て出し終えて、トイレットペーパーをひっぱる俺。 俺「あれっ!?」 トイレット…

今日は先輩の家で呑み。 サークルのメンバーが集まってどんちゃん騒ぎをする。 今日はそれに初参加。 行ってみたらちょっと古めだけどなかなか綺麗なアパートだった。 くだらない話で盛り上がってお酒もたくさん飲んであっという間に解散の時間になった。 友…

近くで火事が起きたらしい。 俺は野次馬で見に行った。 近くで野次馬で見に来てた友人が居たから話していた。 俺『すごい燃えてるな』 友人『つらいよな、遺族を考えると』 俺『可哀想だよな』 友人『犠牲になったのが俺らじゃなくてよかったよ』 俺『犠牲っ…

先週、仕事の関係で五階建てアパートの三階に引っ越してきた。 少しばかり狭いが部屋の陽当たりはよく、住人も皆良い人そうだった。 そんなある日の晩、上司に付き合わされてフラフラになって帰宅した時の事だった。 ベランダを何かが通過――いや、落下してい…

いま私は駅前にいる。 そして私の隣には一人の男がいる。 その男は私の中学時代の同級生。 名前は…忘れた。 気まぐれに散歩にでた私は駅前のこの広場で偶然こいつと出会い声をかけられたのだった。 その男が目の前を通った女子高生をみて「携帯」とつぶやく…

彼女の麗奈から電話があった。 麗「実家で見つけた古い鏡見てから鏡見る度に幽霊が…助けて…！」 最初はイタズラかと思ったが様子がおかしいので俺は急いで麗奈のマンションに向かった。 家に着くと麗奈は布団にくるまり震えていた。 幽霊なんか信じて居なか…

今日は友だち数人と近所のお祭りにきている。 このお祭りは毎年6月～8月の間に毎月4のつく日に行われている。 オレたちの住んでいるところは田舎とも都会とも言えない微妙なところで、都会のように街で遊べるところも無ければ、田舎のように自然で遊べるとこ…

「残るはお前だけだ…」 初めにいた仲間たちは既に消え、緊迫した空気の中、俺はこいつと対峙している。 向かいあって俺は動かない、いや動けないと言うべきか。 戦況は次の一撃で勝負は決するかもしれないという佳境。 「っ！！」 突然やつの手が素早くこち…

最近友達とドラクエにハマッている。 自分は友人に勧められて始めたので当然彼の方が先に進んでいる。 あるとき彼が 「メタルキングの剣ゲットしたぜ」 と自慢してきた。 いつもはすごいねーと軽く流して終わりなのだがよっぽど嬉しかったのかこのときはしつ…

俺は今、仕事から帰ってきた。 さてと。テレビでも見るかな～ ―数十分後― お腹空いたなぁ… コンビニにでもいって買ってくるか。 外はもう暗いし… なんか寂しいから音楽でも聴いていこう。 「いらっしゃいませ」 んー…何食べようかなぁ～ おっ！！なんだこの…

『ナースさんよぉ、隣の奴どうにかしてくれねーか？足が痛い足が痛いって、昨日の夜からずっとだぜ。おかげで全然眠れやしねぇ』 私『分かりました。ちょっと待ってて下さいね』 私は隣のベッドのカーテンを開けた。 私『どうかしましたかぁ？』 『足が痛い…

文化祭で暇だったから、人が1人だけ入れるだけの、中で身動きのできないようになってるような、まあいたずら用の電話ボックスのような箱を作ってみた（笑） 担任でも閉じ込めて怖がらせようっていう寸法だ（笑） 表情がわかるように4つの面の担任の目の位置…

ははははー 俺はとうとう時間を止める力を手に入れた。 色々やってやるぜ！！ ゲヘヘ ほれ！！ よし止まった。 まずは、何をしてやろうか……… ………あれ……？ 【解説】

やっと外の世界に出られた…… 最後にこの空を見たのは何百年前だろうか…… まぁ、そんな事はどうでもいい… 今回、ランプを擦って呼んでくれたのは誰かな……？ 「……兄ちゃん……本当に出てきたよ…」 「だな。まさか落ちてたランプ使ってアラ○ンごっこやろうと思っ…

片側一車線で、歩道もロクにないような道をバイクで走ってました。 僕の前を一台のスクーターが、走ってました。 そのスクーターが信号機のある小さな交差点で、突然バランスを崩したようによろけました！ 危ない！ と、思いましたが、そのスクーターは、何…

野菜対果物の試合。 9回ウラ。 4対3。 実況『9回ウラ。果物チームの攻撃は、2アウト、ランナーなし。ここで今日、好調のバッターりんご選手』 実況『おっとこれは大きい！！入るか！？入るか！？入ったーー！！』 実況『りんご選手の見事な逆転サヨナラホー…

おれはA。 今日は友人たちと海に来てるんだ！ ビーチバレーや遊泳、砂風呂やカニ釣りなどたくさん遊んだ。 「よし！そろそろスイカ割りやろーぜ！」 そう、俺たちは今日のために6420円もするスイカを買ったんだ！ 「じゃあ最初はAがやっていーぞ！」 そう言…