【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】アパート

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先週、仕事の関係で
五階建てアパートの三階に引っ越してきた。

 

少しばかり狭いが部屋の陽当たりはよく、
住人も皆良い人そうだった。

 

そんなある日の晩、
上司に付き合わされてフラフラになって帰宅した時の事だった。

 

ベランダを何かが通過――いや、落下していった。

 

恐る恐る下を覗き込むと、
不自然な向きに手足が折れ曲がり、
頭から血を流す人の死体が――。

 

そこまで確認した所で、俺は意識を失った。

 


翌朝、目が覚めた俺は、
急いで玄関を出た。

 

案の定、外は大騒ぎだった。

 

果たして――

 

階段を降りた俺の目に飛び込んで来た光景は、
死体を取り囲む人だかりだった。

 

俺は絶句した。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語り手はベランダから飛び降りを目撃した。

 

しかし、死体は

翌朝階段のすぐ近くで見つかっている。

 

アパートの構造上、

玄関(階段)側とベランダ側は

反対側にあるなど、

ある程度の距離があるはず。

 

つまり、飛び降りた人は

即死することができず、

這って移動したことになる。

 

なぜ這って移動したのか?

 

それはきっと、

助けを求めるためだろう。

 

飛び降りたのに助けを求めたのはなぜか?

 

自殺だったら助けを求める必要はないのではないか?

 

飛び降りたらあまりの痛さに

助けを求めたくなる、というのはあるだろうが、

もしも自分の意志で飛び降りたわけではないのだとしたら?

 

飛び降りた人は自分の意志ではなく、

突き落とされていた。

 

となると、突き落とした犯人もいる。

 

語り手がベランダから下を覗いていた様子を

犯人に見られていただろう。

 

つまり、語り手がもし上を見ていたら

犯人の顔を見ていたかもしれない。

 

となると、もし語り手が上を向いていたら

どうなっていたのだろうか?

 

もしかしたら、語り手も

同じような目に合っていたかもしれない…