近くで火事が起きたらしい。
俺は野次馬で見に行った。
近くで野次馬で見に来てた友人が居たから話していた。
俺『すごい燃えてるな』
友人『つらいよな、遺族を考えると』
俺『可哀想だよな』
友人『犠牲になったのが俺らじゃなくてよかったよ』
俺『犠牲って?』
友人『話によると放火らしいぜ』
俺『まじか…』
友人『大男の犯行でまだ捕まってないらしい』
俺『マジで!?』
友人『マジだよ!!』
俺『気を付けなきゃな…』
友人『駅の方でもこないだ火事あったらしいしな…』
俺『駅かぁ…俺んち近いな…』
友人『だからお前も気を付けろよ!!』
一週間後俺の家は火事になった。
【解説】
意味怖を読み慣れていると、
こういうのは読んだ瞬間に
「友人が犯人だ!」と思うはず。
その友人の言葉の頭文字を繋げると、
「つ犠(ぎ)話(は)大(お)マ駅(え)だ」
つまり、
「次はおまえだ」
となる。
友人の顔をして、実は心の中では…
というのは本当に恐ろしい。
もしかしたら、
仲が良いと思っている友人ですら、
心の中で何を思っているのかわからないのだから。
こういう話ばかり読んでいると、
人間不信になってしまいそうである。