片側一車線で、
歩道もロクにないような道をバイクで走ってました。
僕の前を一台のスクーターが、
走ってました。
そのスクーターが信号機のある小さな交差点で、
突然バランスを崩したようによろけました!
危ない!
と、思いましたが、
そのスクーターは、何とか体制を立て直して、
振り向きざまに、
何か叫んで走り去って行きました。
ちょうど、
僕が交差点に差し掛かる前に信号が赤になり、
停車しました。
さっきのスクーターが
バランスを崩した原因を知りたくて、
周りを見渡しました。
交差点の周りは倉庫が立ち並んでいて、
人影はありません。
道路にへこみとかは見る限りないようです。
最後にスクーターに乗った人が叫んでいた方角を見ると…
そこにあるものを見て、
…しばらくしてからゾクッとなりました。
【解説】
語り手が見たものは「花束」。
きっと、そこで人が亡くなったのだろう。
スクーターに乗ってバランスを崩した人は、
何か叫んでいたことから、
見えてはいけないものが見えていたのかもしれない。
バランスを崩したのが恥ずかしくて、
適当に叫んで走り去っただけで、
実は何もなかった可能性もあるが…
まぁ、何事もなかったのが良かったということで。