今日は先輩の家で呑み。
サークルのメンバーが集まって
どんちゃん騒ぎをする。
今日はそれに初参加。
行ってみたらちょっと古めだけど
なかなか綺麗なアパートだった。
くだらない話で盛り上がって
お酒もたくさん飲んで
あっという間に解散の時間になった。
友人と二人で夜道を歩いていたら
大変なことに気が付いた。
携帯を先輩の家に置いてきた。
友人は一緒に戻ると言ってくれたんだけど
悪いと思って先に帰ってもらった。
先輩の家に戻ってくると
すでに眠ってしまっているようだ。
電気ついてないしね。
でも携帯はそばにないと
やっぱり不安だから
先輩っごめんなさいと思いながら
勝手に先輩の家に足を踏み入れた。
真っ暗でなにも見えなかった。
電気をつけようとしたら
暗闇の中で何かが光った。
あった!!
メールを受信したらしく
携帯が点滅した。
もう用は済んだし
先輩を起こしちゃ申し訳ないので
そのまま家をでた。
家に着くと
受信メールが2件に増えていた。
その文面には
電気つけなくてよかったね。
とだけあった。
先輩からだ。
もう遅いし
明日返そうとその晩は眠りについた。
翌日、
ニュースを見て私は動けなくなった。
1人暮らしの大学生死亡。
バラバラに切り刻まれた死体は
ビニール袋に入れられ…
先輩だった。
電気つけなくてよかったね。
私は足元から崩れ落ちた。
【解説】
語り手が携帯を取りに
先輩の家に行った時には
すでに先輩は殺されており、
その場に犯人がいた。
そのため、先輩の携帯から犯人が
『電気つけなくてよかったね』
と語り手にメールを送った。
もし、電気をつけていたら、
語り手も一緒に殺されていた。
語り手のメールアドレスがわかったということは、
きっと顔見知りが犯人なのだろう…
もしかしたら友人の中に犯人がいて、
友人の顔をしながら
犯人に繋がる緒を見つけるかもしれないと、
監視されるかもしれない…