学校も終わり下校中の俺。
通学路の脇道には市民プールがあり、
昼間には色んな人が遊びに来る。
ふと見ると、
プールサイドにしゃがみ込み泣いてる女の子がいた。
施錠が甘かったのか、入り口は開いていた。
＂こんな所で何をしてるんだろう？＂
不思議に思った俺は、
あそこに居ては危ないという思いもあり
女の子に声をかけた。
どうやら女の子は、
プールを見つけ走ってきたはいいが、
両親とはぐれてしまったらしい。
よく見れば、服には血がにじんでいた。
怪我をしているなら尚更放っておく訳にはいかない。
その日はちょうど誰も家には居なく、
一人で留守番の予定だった。
＂時間も遅いし、明日交番に行けばいいよね＂
こうして俺は、女の子を家につれて帰った。
まずは着替えさせるため、
小さい頃着ていた服を女の子にあげた。
サイズはピッタリだった。
だけど・・・
女の子は怪我をしていなかった。
まぁ、怪我がないなら良かったな。
そして、俺は一晩女の子を家に泊めた。
そして次の日。
今日は学校は休みだ。
俺は呑気に女の子とテレビを見ていた。
そろそろ交番に行かなきゃ。
時刻は昼過ぎ。
＂昨日の市民プールで遊んでから交番に行こうかな＂
そう思い、
準備を始めた俺の目に、
あるニュースが飛び込んできた。
「今日の昼頃、
満月満月市内の市民プールで、
夫婦の死体が発見されました。
凶器も一緒に見つかっており何者かによって殺害され、
プールに沈められたとみて警察は捜査を続けています」
ここ、昨日の市民プールだ・・・
「それから、夫婦には1人の子供がおり、
現在行方不明となっております」
え、子供・・・・・？
プールサイドで泣いていた女の子。
服に血をベットリと付けた女の子。
そして行方不明…
俺の脚は震えていた・・・
女の子を見るのが怖かった。
勇気を出して女の子の方へ振り返ると・・・
そこに女の子の姿はなく、
床には真っ赤な足跡が大量にのこされていた。
【解説】
『真っ赤な足跡』
これは語り手の血によって
足跡が真っ赤になったから。
語り手が
『俺の脚は震えていた・・・』
と言っているのは
大量に血が出ているため
脚が震えてしまったのだろう。
両親を殺し、
語り手をも殺す。
この女の子は
これからも色んな人を殺し続けるのだろうか？
それにしても、
女の子を家に一晩泊めた語り手。
親切だとしても
これは完全に事案。
両親からすれば
帰ってこないとなると
誘拐されたと思ってしまうから。
こんな行動をとった語り手も
正直恐ろしい…
