俺はしがない高校生だ。
その日は最後の授業が国語だった。
放課後、
友達とクラスのヤツの机のなかを見て回ることにした。
どんどんと回って行った。
交換ノートとか小学生かよ(笑)
そしてクラスでも地味なA子の机に来た。
友達は
「アイツちょっと不気味だよな」
とか言っている。
まぁ休み時間もなんか書いてるしな(笑)
そして机を覗くと一枚の紙が入っていた。
「何これ?短歌?」
内容はこうだ。
『月眺め
悲しみに泣く
待ち人よ
枝もなき木に
黄昏を待つ』
「ん?なんじゃこりゃ?」
もう一度見返した俺達は窓からの気配に気付き
急いで逃げ出した。
【解説】
一文字目を見ていくと
月(つき)
悲(かな)
待(ま)ち
枝(えだ)
黄昏(たそがれ)
つまり、
「つかまえた」
となる。
窓から気配を感じたみたいだが、
ここは一体何階だったのだろうか?
1階であれば、
気配というよりも
誰かが近づいてくるのが見えるはず。
となると、
ここは2階以上だろう。
つかまえに来た者というだけでも恐ろしいのに
2階より上の階で
窓から気配がするのも恐ろしい…
それにしても、
すでに「つかまえた」と過去形になっている。
語り手たちはきっと
逃げることはできないだろう…