【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】渡されたもの

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その知らせを受けたのは、肌寒い秋の夕暮れ時の話である。

 

私には妻がいた。

 

妻の男癖が悪いところに
甚だ怒りを覚えることが多くあった。

 

しかし、
そんな妻でも私が成功するように考えてくれており、
離婚にまで及ぶことは一度もない。

 

なぜなら、
私自身も不倫をしていたからだ。

 

不倫相手は、妻の友達である。

 

最低だ…

 

が、妻自身も悪いだろう。

 

そう思うこととした。

 


そんな間柄の中、
会社にいる私に妻の死の知らせがあった。

 

どうやら殺人らしい。

 

私は動揺を隠せなかった。

 

犯行は本日の朝、
自宅で行われており、
カッターのような刃物で頸動脈が切られていたようだ。

 

しかし、
まだ犯行に使われた凶器は見つかっていないと警察から聞いた。

 


…私は妻を失ってから、妻がどれほど支えてくれていたかを理解した。

 

時間の流れが遅く感じる。

 

心に穴が開いたようだ。

 

寂しい心を埋めるかのように、不倫相手を呼び出し、
彼女に全てを打ち明けると一緒に泣いてくれた。

 

彼女は、その時に一冊の本を私にくれた。

 

『ありがとう、そしてさようなら』

 

私は本をゆっくりと読み、
妻のことを思い出していた。

 

本には、
金属製のとても綺麗なしおりが挟まれており、
私はこの本を常に持ち歩くことを心に決めた。

 


次の日、私は警察に事情聴取として所に呼ばれた。

 

何も意識して居なかった私に、不可解なことが起きた。

 

それは…

 

事件を担当していた警察犬が私に対し、吠え続けたのである…

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妻は不倫相手に

『金属製のとても綺麗なしおり』で頸動脈を切られ殺された。

 

そのしおりを語り手が持っていたため、

警察犬に吠えられ、

語り手はこの後捕まることになるだろう…。

 

 

妻を殺したことで一緒になれると期待していた不倫相手が

一緒になれなかったことによって語り手に罪をなすりつけた。

 

この後、語り手は

不倫したことによって妻が殺されたことを嘆くことになるだろう…。