俺には好きな人が居る。
でも彼女は俺の好意に気付いてない。
だから他の男が寄り付いてくる。
…俺は結構アピールしてるんだけどな。
昨日も警察の男を連れ込んでた。
あ、あの男勝手に
彼女のタンスを物色してやがる。
彼女は少し怯えてる…
くそ、目の前が真っ暗だ。
しかもいきなり静かになった。
ヤバい、彼女が襲われてるかも知れない。
男は彼女に紙切れを渡していた。
きっと脅迫文だろう。
…俺が凝らしめてやるからな。
今日も俺は違う角度から
彼女を見守っていた。
もう彼女は俺のもの、
ちゃんと証拠もある。
彼女は証拠を見付けて焦ってた。
照れ屋さんだなぁー//
目が合った。
初めて目が合ったから
彼女は少し緊張してるみたいだ。
彼女は電話を掛けている。
~♪~♪~♪~♪~♪~♪
おっ、彼女から電話が掛かって来た。
やっと俺に頼ってくれた♪
俺「はい」
彼女「今日も彼奴が来たようなんですっ…。
助けてください」
俺「解りました、直ぐ行きます」
あーあ、服洗っとけば良かったかな?
【解説】
彼女は語り手から
ストーカー被害を受けている。
しかし、語り手には
その自覚はない。
語り手が彼女の部屋の様子が解っていたのは
カメラを部屋に仕込んでいたから。
『くそ、目の前が真っ暗だ。
しかもいきなり静かになった』
というのは、警察にカメラを発見され、
没収されたから。
そして、
『今日も俺は違う角度から
彼女を見守っていた』
と、語り手は違うカメラで
彼女の様子を見ていた。
『もう彼女は俺のもの、
ちゃんと証拠もある。
彼女は証拠を見付けて焦ってた。
照れ屋さんだなぁー//』
これは、夜中に彼女の身体に
キスマークを付けていたため。
キスマークを見つけた彼女はパニックになった。
そして、語り手はそれを
照れ屋だと勘違いした。
『初めて目が合ったから
彼女は少し緊張してるみたいだ』
これはカメラを見つけたため。
『彼女は電話を掛けている。
~♪~♪~♪~♪~♪~♪
おっ、彼女から電話が掛かって来た』
電話を掛けた相手は警察。
『男は彼女に紙切れを渡していた。
きっと脅迫文だろう』
これが警察の男の電話番号を書いた紙だった。
しかし、電話に出たのは警察。
警察はすでに語り手に殺されていた。
『あーあ、服洗っとけば良かったかな?』
というのは、警察に扮するため
殺した警察の服を着たが、
その服にはべったりと血がついていたから。
血がついた警察の服を見て
彼女はどう思うのだろうか?
気づくだろうか?
それにしても、ここまでやって
語り手はストーカーの自覚がないのだろうか?
…自覚がないからこそ
ストーカーができるのかもしれない…。