僕の命は短いんだ
ご飯って最近いつ食べただろう?
ずっとネックレスしていて首かゆいなぁ
[あ…]
お家からゆうきくんが見えた
こっち見たのにスルーされちゃった
次の日
いつの間にか寝ていたみたい
やけに体が軽いなぁ
ご飯食べなくて痩せたせいか?
視界もいい
僕は外に出た
[………僕は悪くない]
さっ今日はご飯食べよーとっ!
【解説】
語り手は人間ではなく、「犬」。
その飼い主が「ゆうきくん」。
ゆうきくんはお世話を放棄。
語り手である犬は
首輪・リードに繋がれていたために
自らエサを食べることができなかったし、
エサをもらうこともできなかった。
そんな状態なのに遊びに行くゆうきくんを
犬は恨んでいた。
次の日目を覚ますと
犬とゆうきくんの身体は入れ替わっていた。
そのため、視界もよくなり、
外に出たことで犬に変わったゆうきくんを見て
『………僕は悪くない』
と思った。
そして、入れ替わったことを幸運に思いながら
ご飯を探そうとしていた。
この語り手である犬が
意外と人間の姿に順応しているのが気になるのだが…。
人は犬と入れ替わったらどうなってしまうのだろうか?
ちょっと興味深く感じてしまう。