何年も前の話だけど学校の帰り道、
友人と歩いていておかしな相談を受けた。
使ってるPCの画面の向こうに映ってる自分が
ものすごいにやけた顔でこちらに手をふってくるんだが
どうすればいいというものだった。
こいつ冗談いってんのか?と思ったが
その友人の話してる顔がやけに真剣だったので、
「こっちからも手を振り返せばいいんじゃね?」
と、適当に答えた。
その三日後、そいつは亡くなった。
死んだ友人が言うには、手を振り返したら、
むこうの自分は手を振るのをやめ、
今度は笑いながら手で何かをつかむ動作をはじめたんだって。
そしたらなんか息が苦しくなって窒息して死んじゃったんだとさ
【解説】
『死んだ友人が言うには』
友人から亡くなる前に聞いた話ではなく、
友人が亡くなってしまってから聞いている話。
どうやって亡くなった友人から、
友人自身の死因を聞けたのか?
しかも、語り手は当たり前のようにさらっ話しています。
語り手に取って幽霊と会話するのは
当たり前のことだったろうか?
友人から死因を聞いただけで特に問題なさそうだが、
もしかしたら、
『こっちからも手を振り返せばいいんじゃね?』
と適当に答えられたことを実践したために死んでしまったため、
それを恨んで語り手に化けて出てきたか…