村人全員が嘘を吐く村ある家族が車で
「村人全員が嘘を吐く村」に旅行に行った。
噂によると、そこの村人は本当に嘘しか吐かないとのこと。
到着すると村長が
「ようこそ。ここの村人は皆正直者ですよ」
と出迎えてくれた。
家族は「さっそく来たな」と顔を見合わせ苦笑いし、
宿泊予定の宿へ車を走らせた。
しかし迷ってしまったので、村人に
「○○という宿の場所はご存知ですか?」
と尋ねた。
すると村人は
「そこの分かれ道を右です。左は崖になっているので気を付けて」
と答えた。
父は考え、
「今のも嘘だろうから右が崖で左に宿があるんだろう」
という結論に至った。
しかし車を再び発進させようとしたところで、通りすがりの村人が
「アンタ達。そこの分かれ道を右に行くと崖があるから気を付けな」
と言ってきた。
父は驚き、
「じゃあ○○という宿はどっちですか?」
と尋ねると村人は「左だよ」と答え、去ってしまった。
その家族は翌日、車ごと崖下に転落した形で遺体として発見された。
家族は一体どっちに曲がったのだろうか。
そして、宿はどっちにあったのだろうか。
色々な考え方が出てきそうであるが、
前提としては、
最初に出会った村人も、
通りすがりの村人も
どちらも嘘をつく
ということ。
つまり、最初に会った村人は、
「宿は右、崖は左」
通りすがりの村人は、
「宿は左、崖は右」
と嘘をついている。
なので、一つ目の解釈としては、
左右どちらに行っても宿も崖もない。
(宿泊予定の宿自体が嘘で存在しなかった?)
『その家族は翌日、車ごと崖下に転落した形で遺体として発見された』
というニュースも
『村人全員が嘘を吐く村』から出た話であれば、
これ自体が嘘となるため、
実際には何も起きていない。
二つ目の解釈としては、
『宿が右で、崖が左』
最初に尋ねたときに
『○○という宿の場所はご存知ですか?』
と言っている。
しかし、最初の村人は場所を知らなかったため、
適当に嘘をついて話した。
なので、通りすがりの村人の話の
「宿は左で、崖は右」という嘘を
逆にして考えるべきだった。
なので、
『宿が右で、崖が左』
となる。
三つ目の解釈としては、
『宿が左で、崖が右』
通りすがりの村人は正面から来た。
通りすがりの村人から見て、
「宿が左で、崖が右」と嘘をついている。
車の進行方向に直すと、
「宿が右で、崖が左」
になる。
つまり、最初に会った村人と同じことを言っている。
そのため、
『宿が左で、崖が右』
となる。
この他にも色んな解釈ができそうだが…
ここまで色んな解釈ができてしまうと、
結局どの道も通りたくない。
仮にこの家族が本当に崖から落ちてしまったのであれば、
なぜ徐行しなかったのか?
と疑問になってしまうため、
家族は結局亡くなっていないだろうと思われる。