ある女の子が地下室の図書室で
本を必死に探していました。
その子が気づかないうちに
先生は戸締まりをして帰ってしまいました。
今日は終業式です。
明日から夏休み。
外から開けられる鍵はないので
外には出られません。
その子はでも怖くないのです。
大好きな本があるから。
その子は毎日日記を書きました。
夏休みが終わって先生が地下室の図書室に行くと
女の子は死んでいました。
女の子が書いていた日記を読むと
「私は全然怖くなかった。本があるから。
だけど一つだけ怖かったのは
鍵穴から覗いている目が怖かった…」
【解説】
先生は女の子がいることを知っていて鍵を閉め、
そして女の子が死んでいくのをずっと見ていた。
鍵穴から覗くと
どのくらい見えるものなのだろうか?
見える範囲は少ないだろうから、
鍵穴から遠ざかれば問題ないような気もするが…
でも、一度鍵穴から覗いていることがわかれば、
気になってしまうのも仕方ない。