女の子は家に帰る道が嫌いだった。
帰り道にひとつ、
古いアパートがぽつんと建っている。
その2階の窓からニタニタと笑いながら女の子を見ている男がいたのだ。
女の子はそれが怖くて、
いつもアパートの前を走って通り抜けていた。
そしてある日、
また同じように女の子はその道を歩いていた。
アパートの2階にはまたあの男。
しかしいつもと様子が違う。
何か言いたげに口をパクパク動かしているのだ。
女の子はあまりにも気味が悪くて、
アパートの前にある角を曲がって遠回りして家に帰ることにした。
その日、女の子は死んでしまった。
【解説】
女の子は不審者に狙われていて、
不審者は女の子の後をつけて機会を伺っていた。
それに気づいたアパートの男は注意を促そうとするが、
下手に騒ぐと不審者が逆上して女の子に危害を加えるかもしれないので、
口パクでこっそり知らせようとしたが、
女の子には不気味に思われてしまっただけで伝わらなかった。
その結果、女の子は遠回りしたために
不審者に襲われてしまい、
殺されてしまった。
今まで遠回りしなかった理由は人気の無い道で怖かったからだろう。
そして、不審者からすれば
人気の無い道は絶好の場所だったと…。
そして、このアパートの男もまた
女の子をいつか狙ってやろうと企んでいたため、
ニタニタと笑っていたと思われる。
そのため、仮に物語で逃げ切れたとしても、
結局は女の子に逃げ道はなかっただろう…
…いつもニタニタと笑いながら見てくる見知らぬ男とか
女性でなくても恐ろしい…