ある中学校の階段の踊り場に大きな鏡があり、
4時44分にその前に立つと死ぬという噂があった。
放課後、
美術部の女の子が3人美術室に残って絵を描いていて、
おもしろ半分に4時44分に
その鏡の前に立ってみようということになった。
で、いざ鏡の前に来ると
3人とも怖くて鏡を覗けない。
そこで3人はジャンケンをし、
負けた女の子が覗くことになった。
その負けた子は4時44分きっかりになるのを見届けて、
恐る恐る鏡の前に立った。
・・・何も起こらない。
3人はなあんだと笑いながら美術室に戻った。
時間はたち、7時過ぎ。
2人の女の子は絵を描き終え先に帰ったが、
さっき鏡を覗いた女の子だけが
「もう少しやっていく」
と言い、一人残った。
そしてようやく描き終わり、
彼女は美術室を出た。
ふとさっきの階段の踊り場の前まで来て、
腕時計を見ると、7時16分。
彼女は何気なく鏡を覗いた。
すると・・・
突然鏡の中から手が伸びてきて、
彼女を鏡の中に引きずり込んでしまった。
【解説】
7時16分が鏡に映ると
4時44分に見える。
ただ、この噂は
「鏡を覗くと死ぬ」ではなく
「鏡の前に立つと死ぬ」
なので、噂が本当であれば、
もっとたくさんの人が死んでいてもおかしくない。
7時16分であれば、
朝早く登校している人が
この鏡の前に立つこともあるだろう。
(階段の踊り場にある鏡のようだし)
しかし、実際にたくさんの人が死んでいたら、
こんなことは試さないだろう。
となると、
死んだ人は存在自体忘れられてしまうのか…?
なんて思ってしまう。
午前の7時16分という早い時間に登校する人は
そこまで多くないと思うので、
いなくなった数はそこまで多くなさそう。
午後7時16分というのも、
中途半端な時間なので、
そこまで多い人数が被害にあっていなそうである。
ただ、7時16分ということであれば、
噂もそうなっていそうなものだが…
もしかしたら、
一度4時44分に鏡の前に立ち、
次に7時16分に鏡を覗くことが条件なのだろうか。
そうなると、被害にあう人は激減するはずである。
それにしても、こういう話を読むと
噂が本当だったら死ぬかもしれないのに
よく試してみようと思うなぁ、と…
詐欺とかでも
「自分は大丈夫」
と思っている人ほど引っかかるというし、
そういう思い込みって怖いなぁと思ってしまう。