ゴキンッ
鈍い音がして首が折れた。
こんなことするつもりじゃなかったんだ…
俺はただ
君にこっちを向いて欲しかっただけ…
ごめん。
謝るから…
頼むから動いてくれ…
俺はどうやって
この先生きていけばいいんだよ?
…わかってる。
もう無理なんだよな…
今までありがとう。
太陽がキラキラ光り
蝉が恋を歌う中
神々しくさえ見えたその姿。
絶対に忘れない。
俺にはないその羽でなら
きっと天国まで飛んでゆけるさ。
【解説】
扇風機を自分に向けようとして
首を折ってしまった。
扇風機は羽もついているし、
夏の暑い日は神々しく見える。
果たして語り手は
夏を乗り切れるのだろうか?