私はある宇宙船の船長をしている。
地球はもう人間が住めるような場所ではなくなった。
太陽によって海が干上がってしまったのだ。
そのため私は全人類を乗せた巨大な宇宙船に操縦して
新しく住むことが出来る星を探している。
と言っても、
もう地球を脱出してからどのくらい経っただろうか。
数少ない食料飲料は尽き、
息絶える者も少なくなかった。
燃料ももうほとんどない。
それでも現実は無情で、
生活が出来る星に出会ったことは一度も無かった。
もうダメか、そう思い始めた時、
ある一つの星が目に留まった。
まるで地球のような青い星。
ついに発見したのだ、
求めていた星を。
大気圏を抜けると、
見渡す限りの青い海。
大変澄んでいて、
深いところまで見える綺麗な海だ。
なにしろ水がある!
これこそ私達が求めていた星だ!
皆で手を取り合って喜んだ。
これで人類は救われたぞ!
…ある乗組員がボソッと疑問を口にした。
その瞬間、皆が凍った。
【解説】
海が広がる星だったが、
海しかなく陸がないため、
着陸できなかった。
そのため、
乗組員たちはもう海の中で溺れるしかない。