今俺は歓声の中にいる。
みなは俺を見上げ、
俺はみなを見下し…
ここに至るまで
俺はどれだけのものを
積み上げてきただろう…
あぁ…みなが俺を見てる。
この声が心地よい…
俺は目を閉じ、今の状況に浸った…
次に目を開いたとき…
あったのは俺の体だった。
【解説】
語り手はギロチンによって
首を切り落とされた。
そのため、落ちた首で
自分の体を見ることができた。
ギロチンで首を切り落とされても
少しの間は生きていると言われているから、
こうやって自分の体を見ることもできるのだろう。
でも、痛みを感じていなそうだから、
そこは良さそうだが、
首を切り落とされた姿を見るのが
最後の光景というのはなんだか悲しい気もする。