俺には小学二年生の息子がいる。
この子は我ながら偉い息子だと思う…
思いやりがあるのだ。
この子は友達や親戚、
俺や妻などに誰にでも優しいのだ。
だから近所でも評判が良い。
ある日、息子は友達を連れてきた。
すると自分のおやつを、
「はんぶんこで食べよう」
と行って友達に分けた。
なんていい子なのだろう…
こんな息子が自慢だ。
友達が困っていたりしていたら、はんぶんこ、
この言葉が必ず出てくる。
しかし友達との会話を俺は聞いてしまった。
息子「…最近パパとママが嫌になってきた」
友達「なんで?」
息子「みんなの前では、優しいパパだけど、
夜なんかは叱られてばっかだよ」
友達「えー良いじゃん、
僕のパパなんか場所も考えず叱ってくるよ?
交換したいよ」
息子「じゃあ半分あげるよ…」
良い子すぎたか…
【解説】
パパをはんぶんこ。
やはり、縦からはんぶんこにするのだろうか。
思いやりがあり、
近所でも評判が良い息子に対して
語り手は何に怒っているのだろうか?
良い子にしていても怒られてしまう。
どんなに良い子でも、
そんなことをされてしまったら
どんどん心に闇を抱えていってしまうだろうな…
と思ってしまう。