おれは怖いもの知らずの高校生
いろんな心霊スポットに友達と行ったり
時にはひとりでいったりもしている。
友達の間でも怖いもの知らずで有名だ。
そんなある日のことだった。
ある友達がこう言い出した。
「なあ知ってるか?
〇〇町に廃病院があるだろ?
あそこの二階のトイレの鏡を夜中の2時に見ると
必ず自分の死ぬ直前の顔が写るらしいぜ」
俺はどうせ作り話だろうと笑い飛ばしたが
実際にその友達は
自分がまるで老人になったかのような顔が写ったと言う……
他にも友達の先輩が20くらいの自分を見て
20のときに交通事故で亡くなったという。
自分ゎさすがに怖いと思ったが
キャラを守るためにも行くことを決めた。
そして例の鏡の前に立ってみた。
そしてとうとう夜中の2時になった。
しかしそこには
全く変化のない自分の顔が写っていた。
なあんだ、なにもなかった。
【解説】
語り手は高校生であるため、
年々顔つきもさらに大人になっていくだろう。
だから、
数年経てば見違えているはずである。
しかし、
『自分の死ぬ直前の顔が写る』
にも関わらず、全く変化がない。
そのため、
語り手はもうすぐ死んでしまう。
たまに「この人若いな」と思う人がいる。
以前に
「高校生くらいかな?」
と思ったら30歳近い人だったことがある。
遺伝的に若いそうだ。
今は40歳近いはずだが、
今でもあまり変わらない。
そんな彼であれば、
老人まで生きない限りは
この鏡を見ても変化なしに見えてしまうかもしれない。
なんとなく恐ろしいというか、
すごいなぁと思ってしまった。