【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】あなたは死神ですか?

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真夜中。

 

息苦しさで目を覚ますと
ベッドの脇に見知らぬ黒服の男性が立っていた。

 

僕がびっくりして跳び起きると
黒服は手でそっと制して穏やかな口調でこう話し出した。

 

「今日は貴方をお迎えにまいりました…
つまり…そういう事です」

 

「あ、あなたは死神ですか?」

 

僕は意外と平静な口調だった。

 

「そう呼ばれているみたいですね」

 

「僕はいったいどうなるんです?」

 

「貴方の時間はここで止まります。
それから別の…いわゆる死後の世界へいく事になります」

 

「それからどうなるんです?」

 

「順番がきましたらまた…
しかしそれがいつか、どこの何かはわかりません…」

 

「そんな…もう時間はないんですか?」

 

「はい、できればゆっくりご説明したいのですが
なにぶん今日は私非常に多忙でして…」

 

そんな…
父さんや母さんに挨拶もできずに…

 

そう思ってると
突然ドンッという衝撃で目の前が真っ暗になった。

 

(…ちゃん、シュウちゃん!)

 

母さんの呼ぶ声が聞こえる…

 

僕はハッと目を開けた。

 

そこには母さんと父さんの顔があった。

 

「シュウちゃん、大丈夫?
ずいぶんうなされてたけど…」

 

「おい、シュウ、なんて情けない顔してるんだ」

 

父さんは笑っていた。

 

さっきはもう会えないと思ってた父さん母さんが目の前にいて
僕は思わず泣きそうになった。

 

15にもなって両親に泣き顔を見られるのは恥ずかしいので
僕は下を向いた。

 

「いいからシュウ、早く支度しろ、
今日は久しぶりに田舎のじいさんのところに行くんだから」

 

僕はじいちゃんが大好きだった。

 

もう会えないかもと思ってたじいちゃんに会えると思うと
僕はいろんなものがこみあげてきて
とうとう声をあげて泣いてしまった。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう会えないかもと思ってたじいちゃん」

とあることから、

おじいさんはもともと故人だった。

 

そのおじいさんと会いに行くということは

両親も語り手も死んだということ。

 

一家心中だった?

 

死神が忙しいのは

両親も迎えに来ていたため。

 

 

もう死んでしまったけれども、

特に変わりなく両親とも会え、

またすでに亡くなっている大好きなおじいちゃんとも会えるのであれば、

素晴らしい出来事だと言えるかもしれない。