あれは三年前かな…
俺達のクラスは修学旅行に行ったんだよ。
楽しい旅行になるはずだったんだが…
俺達を乗せたバスはトラックと…
大事故だった…
バスは転倒し、崖から落ちたのだ。
でも俺は生きていた…
そしてもう一人、
クラスメイトの女子が一人生き残ったのだ…
俺達は自分を恨んだ…
なぜ生き残ってしまったのか…
なぜ一緒に死ねなかったのか…
あれから三年…
今はなんとか悲しみから立ち直り、
社会人として生活している。
…とか思ってみたけど無理だな…
俺は今あいつらと過ごした思い出の場所に立っている…
あの学校に
学校っていっても、
去年廃校になっちまって
完全に心霊スポットって感じだけどな…
あれ?あいつは…
玄関の方に目を向けると女性が入ってくのが見えた。
俺は追いかけて彼女に声をかけた。
俺「お前も来てたのか…」
女性「え?あ…うん」
俺が走ってくるのに気づいた彼女は
少し驚いた表情を浮かべていた…
ちなみに彼女は
俺と一緒に生き残ったクラスメイトである。
俺達は廃校には来たものの特に目的が無かったので、
とりあえず自分達の元教室に向かうことにした。
しばらく歩いていると、
向こうから騒ぎ声が聞こえてきた…
あの教室からだ。
確かにここはちょっとした心霊スポットだ…
でも事故でクラスメイトを亡くしている俺にとっては、
許される行為ではなかった。
俺は怒りに身をまかせ、
教室のドアを思いっきり開け叫んだ。
俺「お前ら!!肝試しならよそで…!?」
俺は教室にいた奴らを見て言葉を失った。
???「よ♪三年ぶりだな坂井♪」
【解説】
語り手が教室で会ったのは
死んで幽霊になったクラスメイトたち。
語り手も女性も
呼ばれたのだろう。
この同窓会に。
特に何もなく
同窓会のように楽しめればいいが、
果たしてこの後二人はどうなってしまうのだろうか?