ある日僕は、
とあるレストランで
ウミガメのスープという
メニューがあったので
懐かしいなぁと思い
注文することにした。
僕は前にウミガメのスープを
食べたことがあった。
数年前、僕は海兵だった。
ある日、
嵐が起きて船が沈没した。
ほとんどの人が助かった。
僕たちは近くにあった無人島に
力を振り絞って泳いだ。
しかし、そこには水も食料もなく
そう長くはもたなそうだった。
ある時仲間の1人が
ウミガメをつかまえたからといって
ウミガメのスープを振る舞ってくれた。
そこにはウミガメがたくさんいたのだろうか、
毎日ウミガメのスープがでてくるのだ。
おかげで僕は命を繋ぐことができた。
……こんな昔話をしていたら
ウミガメのスープが来た♪
ズズッ…ん?
元海兵「これは本当にウミガメのスープですか?」
シェフ「ええ」
嘘だ。
味が全く違うじゃないか。
そこで生き残った仲間に電話をした。
元海兵「なあ。ちょっと〇〇レストランに来てくれ。
お前の作ってたウミガメのスープあるだろ?
このレストランにあるんだよ。
ここのシェフ作り方がいまいちなんだ(笑)
教えてやってくれ」
生き残り「もう、やめてくれ…」
俺は全てを悟った。
店を飛び出し、崖から身を投げた。
【解説】
ウミガメのスープは
実は人間のスープだった。
語り手はそれに気づき
自殺した。
すでに死んでしまった人をスープにしたのか、
それとも殺してスープにしたのか…
毎日スープが出るほどであれば
もしかしたら殺してスープにしていたのかもしれない。
最初はすでに死んでしまった人だったのかもしれないが…。
『ウミガメのスープ』
というのは生き残った仲間の
優しい嘘だったのだろう…。