私は真希。
私には双子の妹、亜希がいる。
いつも仲良くて、
子供の頃は、お揃いの洋服を買ってもらってたっけ。
中学の時は、
お互いが好きな男の子が一緒で、
やっぱり双子なんだなぁって思った。
あの時は、私の告白が成功したんだっけ。
高校は別々の学校に通いたいって亜希が言うから、
仕方なく別々の学校に通ったけど、
意外と学校が近くて、ちょくちょく亜希に間違われてたんだ。
亜希のフリして、
亜希の付き合ってた彼氏と寝たこともあったっけ。
亜希は知らないでしょうけど。
大学も別々の学校へ進学したけど、
実はこっそり亜希のフリして学校に行ったの。
偶然、
亜希とバッタリ鉢合わせしちゃった時の亜希の驚き顔。
開いた口が塞がらない、状態だったっけ。
ある日、亜希から
『免許取ったから、
真希、一緒にドライブ行かない？』
って、お誘いがきた。
待ち合わせ場所には、
レンタカーに乗った亜希が既に待っていた。
私『ゴメンね、ゼミが長引いて遅くなっちゃった』
亜希『ううん、平気。
じゃ、行こう。
真希、早く乗って』
亜希は私を車内へ招くと、
車を走らせた。
車内は終始他愛もない女子の会話で、
話が尽きることは無かった。
峠道へ車を走らせる亜希に
私『免許取りたてで、峠道なんて、危なくない？』
亜希『大丈夫、大丈夫。
前にも来たことあるから。
この峠の一番高い所から見る夜景が、
とにかくスゴイの』
亜希がはしゃぐ。
まったく。
内心、ドキドキしつつも、
妙に落ち着いた気分だった。
峠道を登りきり、
車を止めるスペースに車を止めて、
亜希と2人並んでガードレールに両手をつき、
夜景を見てい
『…これで、ほんとに、お……』
眼下には綺麗な夜景が広がっていた。
翌日、
友人『おっはよー、マッキー』
【解説】
亜希が真希を突き落として、
真希に成り代わった。
亜希としては真希になりたかったのだろうか？
それとも、真希を殺し、
足がつかないために
真希に成り代わっただけなのだろうか？
『…これで、ほんとに、お……』
途中で言葉が終わっているが、
これは「お（しまい）」と言いたかったのだろうか？
姉妹が終い。
姉妹としての関係が
完全に終わってしまったということに。
