警察の俺はある日
スピード違反を取り締まっていた。
そうすると
やけに遅い車が走っていて
後ろが大分つっかえていた。
俺はかえって危険なため停止させた。
中には80ぐらいの老婆が運転していて
他にも息子と思われる50ぐらいの男。
そして男の妻と
また老婆の孫らしき男の子が乗っていた。
しかし様子が変だ。
老婆以外みんな顔が青ざめている。
運転手の老婆が不思議そうに言った。
「お巡りさん私、
標識通り15キロで走ってますよ」
俺は状況を理解し言った。
「お婆さんそれは国道15号線っていう意味ですよ」
すると老婆は恥ずかしそうに
「あれま、そうでしたかすみません」
と言った。
俺はもう一つ気になっていた事を聞いた。
「他の皆さん先ほどからなぜ喋らないのですか?
顔も青いですし…」
老婆は言った。
「はてみんな最初は元気だったんですけどねぇー」
「国道248号線に入るまでは」
【解説】
国道○号線を時速○キロで走らなければいけないと思っていたお婆さん。
国道248号線では
時速200kmを超えるスピードで走っていた。
一般道で時速200kmを超えるスピードで走られたら
生きた心地はしないだろう。
それでも事故を起こさないお婆ちゃんの運転技術は
ものすごいものがある…。