本日は7月7日、七夕だ。
最近お互いに忙しかったが、
今日は久しぶりに彼女と会える。
さながら、彦星と織姫みたいな感じかな。
夕方頃ウチに直接来るって言ってたな。
せっかくだし、笹でも買ってきて七夕らしく短冊でも書いてみるか。
さて、肝心の願い事は何を書こうか。
思えば、子供の頃に何度も短冊に願い事を書いたが、
結局一つも叶わなかったな。
本当に叶えたい願い事は書かない方がいいかもしれないな。
うーん……そうだ、
「織姫と彦星が会えなくなりますように」
とかどうだろうか?
我ながら最高のブラックジョークだ。
これを彼女に見てもらって、笑いの種になればいいしな。
……これでよし。後は彼女が来るのを待つだけだな。
ん、なんだ、ニュース速報?
交通事故か……っておいおい、近所じゃないか。
俺も気を付けなきゃな。
【解説】
『彦星と織姫みたいな感じかな』
と例えてしまったためか、
語り手が彦星、彼女が織姫となり、
彼女は交通事故で死んでしまって、
もう会えなくなってしまった。
ただの偶然だとしても
こんなことを書いてしまったのは
一生悔やんでしまうことだろう…。