僕の名前は、冴島零(サエジマゼロ)。
僕には彼女がいた。
明るくて優しい、イイ子だ。
そして僕の事を本当に好きだ(笑)
彼女は、僕の事をレイ君と呼ぶ。
彼女は僕の幼なじみで
その時からレイ君と呼んでいた。
彼女は小学生の時に両親が離婚して、
転校してしまった。
それから10数年一度も会う事なく、
正直その存在も忘れていた。
ある日、街中で彼女に話しかけられた。
僕の事を覚えていてくれたらしい。
僕の見た目もかなり変わったのに、
正直嬉しかった。
それから何度か遊び2人は、
付き合う事になった。
そして2人が付き合ってから3年が過ぎていた。
この年は、交通事故で大怪我をしたり、
会社をクビになったりと、
いろいろとついていない年だった。
そんな事も重なり、
御祓いに行く事にした。
これで大丈夫だ、と安心して
その日は、家に帰った。
次の日は、
彼女とデートの約束をしていたので
彼女を家まで迎えに行った。
そして、
彼女が家から出てくると
僕の方を見て、なぜか泣いている。
どうしたの?と聞くと、
彼女は、泣きながらサヨナラと一言いった。
意味がわからなかった。
どういう意味か聞く前に彼女は家に入って行った。
僕は、なにがなんだかわからなくなった。
数日後、彼女は自ら命を絶った。
彼女の遺書には、
レイ君に会いに行ってきます、
と書いてあったらしい。
【解説】
語り手には霊が取り憑いていた。
そして、彼女はその霊が見えていて、
その霊のことが好きだった。
零=レイではなく、
霊=レイの意味でレイと読んでいた。
10数年経っても彼女がすぐに気付いたのは
レイが幽霊で見た目が変わらなかったからだろう。
レイのおかげで語り手は彼女と付き合えたが、
語り手がレイを払ってしまったために
レイが消えてしまった。
それに悲しみ
彼女はレイ=霊に会いに行くために
自殺をした。
彼女としては眼中になかった語り手…。
悲しい話である。