私は前から興味があった。
あの、先生がいつも触ってはいけないという木を粉々にしてしまう粉砕機だ。
あそこに手を入れたらどうなるんだろう。
ある日の(中学校なら大抵あるだろうか?)技術の授業中。
その日は『木でプランターを作ろう』の続きということで、
肥料に混ぜるチップを作るために技術室でその機械を稼働させていた。
ついに実行する日が来たと思った。
私は、一緒の班の友達と黒板の前にいる先生の目を盗んで
手を素早く機械に差し入れた。
ヴィィィンガリガリバリガリ…!!!
凄まじい音と共に手が吸い込まれていく。
友達は目の前で不意に起きたことが信じられないのか
物凄い形相で泣きじゃくっている。
先生が来た。
この事態に戸惑ってあたふたしていて焦っているようだ。
私は思う。
あぁ、こうなるんだ。ふーん。
【解説】
語り手は友達の手を粉砕機にかけた。
そのため平然としている。
…そのため、と書いたが、
友達の手が目の前で粉砕されて
物凄い形相で泣きじゃくっているのを見て、
『あぁ、こうなるんだ。ふーん』
で済ますとか恐ろしすぎる…。