夜中の12時もまわった頃
タクシーの運転手が車を走らせていると
髪の長い女が手をあげて
「乗せてくれ」
と頼んできた。
こんな時間に何をしていたんだろうと
運転手は思ったが
車をとめて女を乗せた。
「どちらまでですか?」
と運転手が聞くと
「○○寺まで」
と、言ったので
気味が悪いなと思いながらも
車を発進した。
運転手は
「こうゆう怖い話ってあるよな~。
後ろ振り向いたらいないとか、
座席がぬれてるとかさ。
もしかしてこのお客も…」
と思い
バックミラーを見た。
腰より長い髪の毛のせいで
顔はよく見えないがちゃんといた。
しばらく走っていると
目的地に到着した。
夜の寺に何の用事があるかは知らないが
やはり気味が悪いので早く帰りたかった。
「ありがとうございました」
と女は頭を下げ
料金もしっかり払って車から降りたので
運転手は車を発進させた。
するとさっきの女が
物凄い形相で
車を後ろから追いかけてきた。
運転手は怖くなり
ふりきるためにスピードをあげた。
すると
「ぎゃあああああああ!!!!」
と物凄い叫び声がして女はいなくなった。
しばらくして
運転手が車からおりると
ふと後部座席のドアに目をやった。
そこには長い髪の毛が
ゴッソリとはさまっていた…
【解説】
女性の髪の毛が挟まったまま発進してしまったため、
髪の毛がゴッソリと抜けてしまった。
髪の毛を挟んでしまったのは女性だけど、
発進する時間をもう少し遅らせたり、
挟まっていることに気づいていたら…
と運転手にとっても女性にとっても
悔やまれる出来事である…。
心が痛い…。