私達家族には5歳になる愛おしい娘がいます。
7月に入ると
「はるはこないの?はるはこないの?」
を毎日5回は聞きます。
きっと春が好きなんですね。
私は
「また来年ね」
の繰り返しです。
そんな夏の日
娘が高熱で病院運び込まれました。
医者からは原因がわからず
手の施しようがなく危ない状態だ、と。
「二度も娘を失いたくは…
ないの!!
助けてよ!!」
その時娘めが目を開けて言いました。
「はるが…来たよ」
その言葉が最後に娘は息を引き取りました。
私は泣きながらつぶやきました。
「はるが来たの…?」
【解説】
『二度も娘を失いたくは…ないの!!』
語り手は一度娘を失っている。
その娘の名前が「はる」。
はるが娘を連れて行った。
はるとはどこで会ったのだろうか?
語り手の様子を見る限り、
娘ははるとは会ったことがなさそうだ。
実は双子で、はるは生まれた時に死んでしまった、
とかあるのだろうか?
なんにせよ、悲しい話である…。