俺は久しぶりに実家に電話をかけた。
すると電話には姉貴がでた。
俺「よっ、元気にしてた?」
姉「どうしたの?
いきなり電話掛けてきて」
俺「いやぁ~あのさ、
俺の飼ってた猫が気になってさ」
姉「ああ、あんたの猫なら
昨日車に轢かれて死んじゃったよ」
俺「……」
姉「どうしたの?」
俺「姉ちゃん、そういうときは
『ああ、あんたの猫なら昨日木に登ったの』っていうんだ」
姉「だからあんたの猫は死んだって」
俺「いいから聞いて、
で『木に登ってどんどん上に登っていったの』っていうんだ。
こうすれば俺も心の準備が出来るだろ。
で、『みんなで助けようとしたんだけど、結局木から落ちて死んじゃったの』
っていうんだよ」
姉「わかった。次からそうするよ」
俺「わかってくれたんならいいよ。
で、母ちゃん元気?」
姉「ああ、母さんなら昨日木に登ったの」
【解説】
お母さんも昨日死んでしまったようだが…
姉が淡々としすぎていて恐ろしい…。
でも、お母さんが死んでも連絡されない語り手。
この姉ならなんとなく連絡しなそうだが、
他にも家族がいるとしたら、
語り手はハブられているのだろうか…?