私は、吹奏楽部員♪
明日は、先輩の卒業式で演奏するのである。
本番のセッティングでリハーサルをした。
私は家に帰って、曲を見直そうとした。
そして、楽譜をバックから取りだそうとした。
しかし、楽譜をリハーサルの時に
譜面台の上に置き忘れたことに気づいた。
『ま、いっか』
とつぶやく私。
次の日、
私は集合10分前に席に着いたが、
あるはずのところに楽譜がなかった。
（あれ、思い違えたかな）
本番前の席には同じ楽器のA子が独りで居たので、
この席にあった楽譜を知らないか訪ねた。
『あっ、教室のあなたの机の上にあった気がする…多分』
とA子。
取りに行ったが、無かった。
（まぁA子も曖昧だったからなぁ。
どこに置き忘れたんだっけ…
私って本当にバカだ）
私は教室中を探していた。
もう時間がない。
そこに同じ楽器で同じパートのB子が来たので
楽譜をコピーさせてもらった。
楽譜をなくしたなんて、
バレたら顧問に怒られる。
なので楽譜をコピーだと分からないように
きれいに折りたたんだ。
うん、完璧だ！
急いで戻った。
セーフだった！！
席に着いた私にA子が心配そうに
『無かったみたいだね。大丈夫だった？』
と言ってきた。
私は
『あぁ、大丈夫(^^)』
と言って
そのとき初めてコピー譜をA子に見せた。
【解説】
教室に行った語り手に対して何も確認せずに
『無かったみたいだね』
と言っているということは、
教室には無いことを最初から知っていた。
『本番前の席には同じ楽器のA子が独りで居たので』
と一番最初にA子が来ていたみたいだし、
楽譜を隠した犯人はA子だと思われる。
こういう陰湿な嫌がらせは実際にあるから悲しいものである。
