【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】全日制と定時制

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僕の高校は全日制と定時制がある。

 

全日制は 朝8時~14時
定時制は夕方17時~23時


僕は全日制で、
8時~14時の時間帯のみ通っている。

 

部活は16時までで
15時55分になったら強制的に先生から
終了命令が出され、
16時を超えると追い出される。

 

当然隠れて残ろうとしても見つかって
必ず全員追い出される。

 

通学するときは地下道からくるんだけど
地下道の出口まで出されて封鎖され
16時10分以降は絶対に学校に入ることができない。

 

定時制の生徒には会うことができないのだ。

 

学校の近くにいて待ってても
だれも定時制の生徒らしき人は入ってこない。

 

いったいどこから学校に入っているのかわからない。

 

6月1日、朝学校にいったら
自分の机の上が綺麗になってて、
次の時間の教科書、実習道具がきれいに揃っていたのだ。

 

そうか、定時制の奴らと教室は共用だったな。

 

こんなに綺麗にセッティングしてくれるなんて
なんていい人なんだろう。

 

と思っていると、
定時制の時間割表が教室に貼られていた。

 

僕も恩返しに定時制の時間割を見ながら、
教科書と実習道具をセッティングしてあげると

 

翌日もまた、
綺麗にセッティングされていた。

 

そして僕も定時制の子に
またまたセッティングしてあげた。

 

この繰り返しが9月3日くらいまで続いたのだが
9月4日から僕の机の上にあった教科書とかもロッカーに入ったままで、
なにもしてくれなくなった。

 

それに週替わりで変わる定時制の時間割もなくなっていたので
僕も定時制の子にセッティングしてあげられなくなった。

 

それから1週間もたつとそんなことも完全に忘れてしまって
普通になにもない生活が続き、3月がきた。

 

僕は成績が悪く、
単位が足りないので
当然三者面談。

 

先生からはこのままでは進級できないので
同校の定時制にいきなさいと、
親もそうしろって言ってきた。

 

あまり行きたくはない定時制だが
同じ高校の定時制に行くことになった。

 

通学するには
定時制生徒にしかわからない裏道を使うらしい。

 

こんなとこ通ったことないな。

 

暗い階段を登ると学校が見え、中入った。

 

全日制のころと同じ席か。

 

こうして定時制の生活が始まったわけである。

 

授業は去年の内容と同じ、
単位が足りないから1年遅れのようだ。

 

23時に学校が終わりなんか暇だった。

 

全日制の時間割が貼られていたので
僕も定時制の時間割を張返してみた。

 

「えーと6月1日のはこれと」

 

「ついでに、
全日の奴の教科書と実習道具でも出しておくか」

 

暇だったので
セッティングしてあげた。

 

9月3日 高校退学。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

定時制に行った語り手が9月3日に退学。

 

そして、全日制に通っていた頃に

最後にセッティングされたのは9月3日。

 

語り手は全日制にいるときは

定時制の見知らぬ子のためにセッティングをし、

定時制にいるときは

全日制の見知らぬ子のためにセッティングしていたが、

実はどちらも自分だった。

 

つまり、

全日制と定時制は時空が異なり、

定時制に行った語り手は

1年戻されている。

 

『16時10分には完全封鎖』だったり、

『定時制生徒にしかわからない裏道』というのは、

定時制にいる語り手に会わせないため。