「ここはどこだ?」
見覚えの無い部屋。
真っ白な壁と天井。
自分の後ろにある赤い扉。
そして黒い椅子に座っている私と、
黒いテーブルの向かいに座っている名も知らない男。
男もやはり黒い椅子に座っていた。
男「やっと目が覚めたか」
私「そんな事はいいからここからだせ!」
男「まぁまぁ、話だけは聞いてみて下さいよ」
男は飲んでいた紅茶を左手に置き話し始めた。
男「このテーブルの上には6つのティーカップがある。」
私「……」
男「そして全てのカップに紅茶が入っている。」
私「……」
男「今からあなたが自由に選んだ紅茶を1つ飲んでいただきます。」
私「……」
男「ただし、いくつかの紅茶の中には死に至る程の毒が入っています。」
私「……」
男「もしあなたが毒の入っていない紅茶を飲むことが出来たら、
この部屋の鍵を渡そう。」
私「全部に毒が入ってるんじゃないか?」
男「そんなことは無い。毒の入って無い紅茶もある。」
男「では選びたまえ。」
私(結局ただの確率…なら…コレだ!)
ドサッ
男「やはりダメだったか…」
男はそう呟いて持っていた紅茶をまた飲んでいた。
【解説】
ティーカップは机の上にある6つと、
謎の男が飲んでいる1つの計7つ。
机の上に毒無しの紅茶があるとは行っていないため、
謎の男が飲んでいる紅茶が毒無しで、
それ以外には全て毒が入っている。
つまり、助かるためには
相手の飲んでいる紅茶を奪って飲む必要がある。
こんな怪しい状況だと全てが毒に思えるから、
男の紅茶を奪おうとする人は意外と多そう。