急に自分の部屋にテレビが欲しくなって、
買って欲しいと親に頼んだ。
数日後、母が中古のテレビを格安で買ってきた。
和室にそのテレビを置いて、
「箱も開けずに買ってきてあげたよ。
ほら、ユウくんが欲しがってたやつ。
もっと早く買ってあげれば…」
とか、しんみりしながら言ってる。
ユウくんとか何時代の呼ばれ方だよwww
まぁ、どうせこういう安いやつは
いわくつきだって決まってるさ。
俺はもらわないことにした。
テレビの液晶を軽くさわったが、
新品同様だった。
ほかにも色々いじって確認したが、
異変はなかった。
しかし翌日、
やっぱりいわくつきだってことが判明した。
母が開封してみたはいいものの、
写りが悪い。
しかも液晶の隅にヒビが入っている。
そしてよくノイズが入る。
最悪じゃないか…
早く返品してきてよ、母さん…
【解説】
母親が開封する前に
語り手が触っている。
どうやって?
『もっと早く買ってあげれば…』と
『しんみりしながら言ってる』ので、
語り手はすでに死んでいると考えられる。
自分の部屋にテレビがないことによる
自殺か…?
液晶の隅のヒビやノイズは
語り手によるものだろう。
母親は語り手による現象だと気づいたら
どう思うのだろうか?
怖がる?
それとも嬉しがる?
少し気になるところである…