僕は、一人のDQNに毎日のようにいじめられていた。
僕のイライラはいつも、
女手一つで僕を育ててくれた母に向けられた。
一番ひどかった時には、
朝起きた時、
母の顔が傷だらけだった日だ。
母は、こう言った。
「今日はケンちゃんの好きなハンバーグをいれたよ」
そして、学校へ行くと、
弁当を忘れてきたDQNが僕の弁当を全部食べてしまった。
「お前んちのババアけっこううめえもんつくるじゃねーか!」
などと言って食ってしまった。
僕はショックで走って家に帰った。
家では母が泣いていた。
そして、僕の顔をみるなりこう言った。
「生きていたのね!ケンちゃん!」
そして、この日を境に僕の反抗期も終わりを告げた。
次の日から僕がDQNにいじめられることはなくなった。
【解説】
語り手から暴力を振るわれ
耐えられなくなった結果、
語り手の好きなハンバーグの中に毒を入れた。
ハンバーグに入れたのは最後に美味しいものを食べてほしいと思ったのか、
それとも確実に食べてほしいと思ったのか…
ただ、結局語り手はそのハンバーグを食べることはなく、
DQNが食べてしまったため、
語り手はその毒で死ぬことはなかった。
母は自分がしたことによって
ケンが死んでしまったと思って泣いていた。
DQNが死んだため、
次の日からいじめはなくなり、
母に対してイライラをぶつけることもなくなった。
母が泣いている姿を見て
思うところもあった…はず。
「親孝行したいときには親はなし」
親がいる時に
きちんと親孝行したものです。
『この日を境に僕の反抗期も終わりを告げた』
母親が捕まったために
反抗したくてもできなくなった
とかだったら悲しいなぁ…