【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】白い綺麗な色紙

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今日は親友のA君が転校するのでお別れ会をやった。

 

みんなと別れるのが寂しいのか、
A君はちょっと落ち込んでるみたいだった。

 

お別れ会はとても素晴らしいものだった。

 

途中、歌が得意なM君が歌を歌って盛り上げてくれたり、
学級委員のS子が詩の朗読をして雰囲気を作ってくれた。

 

 

そして、お別れ会のクライマックス。

 

親友の僕がA君にプレゼントを手渡す瞬間だ。

 

プレゼントはクラス全員で書いた寄せ書き。

 

昨日、出席番号順で周ってきたその白い綺麗な色紙に、
僕は今までの思いを込めて
「ありがとう」と、一言だけ書いた。

 

親友なのにそれだけ?と思うかもしれないけど、
その言葉だけで気持ちは十分伝わるはず。

 

僕は綺麗な袋に入った色紙をA君に渡した。

 

「元気でね、A君・・・」

 

「今までありがとう、W君・・・」

 

A君はちょっと照れたような表情を浮かべて、
袋の中の寄せ書きを見た後
感極まったのか号泣してしまった。

 

そんなA君を見て、
たまらず僕も号泣してしまった。

 

プレゼントをこんなに喜んでもらえるなんて、
本当に嬉しい。

 

二人して泣いてる姿が滑稽だったのか、
クラスの皆がニヤニヤしながらこっちを見ている。

 

僕は急に恥ずかしくなって、照れ笑いをした。

 

本当に、とても素晴らしいお別れ会になりました。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出席番号順で色紙が回ってきた。

 

出席番号順ということは、

五十音順である。

 

そして、語り手は「W君」。

 

つまり、色紙を書くのは最後の方である。

 

にも関わらず、色紙は

『白い綺麗な色紙』のようだ。

 

つまり、誰も色紙に書いていなかった。

 

A君はおそらくいじめられっこであり、

色紙には語り手が書いた「ありがとう」の一言しか書いていなかったのだろう。

 

でも、語り手の存在が

A君を支えてくれていたのかもしれない。

 

 

そんなA君がいなくなった後は、

今度は語り手がいじめの標的になってしまうのだろうか…?