2ヶ月という短い期間の交際を経て、
俺たちはめでたくゴールインした。
妻とは中学校の同窓会で再会した。
中学のときは、
はっきり言ってクラスでも地味な存在で
みんなから軽いイジメに会っていた。
でも今はそんな事も昔のことと思っているらしく
いつも明るく振舞ってくれる俺は妻を心から愛している。
そんな俺がいつも楽しみにしているのは
何と言ってもご飯だ。
彼女が作る料理はとても美味しい
なんてったって料理免許も持ってるらしい。
何故かしらないが
この前引き出しをあけていたら
薬品なんちゃらとか書いてある免許まで持っていた。
俺はなにか料理に使う薬品でもあるんだろうと思って聞かなかった。
俺には関係のないことだから
そんな妻はきょうも美味しそうなにおいをただよわせながら
晩御飯をつくっている。
ん?ピーナッツの匂いがしてきた。
晩御飯は何かたのしみだ。
【解説】
『中学のときは、
はっきり言ってクラスでも地味な存在で
みんなから軽いイジメに会っていた』
妻は中学のときのことをまだ恨んでいて、
語り手に復讐しようとしていた。
語り手が中学の時、
どのように関与していたのかはわからないが…。
『薬品なんちゃらとか書いてある免許まで持っていた』
『ん?ピーナッツの匂いがしてきた』
ピーナッツの匂いとアーモンドの匂いを間違えている?
実際はアーモンド臭で青酸カリを入れたと思ったのだが…
ただ、どんな免許をとっていようが、
青酸カリは本来入手できないはず。
そもそもよく言うアーモンド臭って
「アーモンドの実」の匂いなので
わからない人の方が多いはずなのだが…
ピーナッツと考えると、
ピーナッツにカビが生えた場合、
アフラトキシンという毒性のものができる。
猛毒ではあるものの、
必ず死ぬとも言えないため、
何回かにわけて食べさせるのかもしれない。
小さい頃の恨みは忘れないことの方が多いから、
怖いものである…