剣と魔法の世界、
有る王国に王国の財宝でも有る「王族のエメラルド」という宝石があった。
しかしこの宝石、悪魔に持ち去られてしまい
「発狂の洞窟」という場所に隠されてしまった。
何で発狂なのかというと数人の冒険者が挑んで
必ず一人だけが生きて戻ってくるが
精神が不安定な状態になり
その場で死ぬものもいれば、
教会に祈りを捧げたあと自殺してしまうのである。
そんな状況が難解も続くが
エメラルドに惹かれて同じ事が300年も繰り返された。
其処に年老いた魔術師とその孫か弟子か不明だが
10歳ぐらいの女の子がやってきた。
事情を聞いた二人はその洞窟に興味を持った。
「どういうことでしょうか?」
「リィナはどう思うかね?」
リィナと呼ばれた
少女は何と洞窟を
「一人で探索してみたい」
と提案した。
勿論回りは子供に行かせられないと反対するが
彼女は一人で行き
そして見事エメラルドを手にして帰ってきた。
王家にもこの情報は伝わり、
二人は城に呼ばれた。
王が聞きたかったのは「発狂の洞窟の中の状況」
リィナが言うには。
1:洞窟は一本道で迷わなかった
2:周りに死体が何体も転がっていた
3:壁に変な穴があいていて気持ち悪い匂いがしたが、外に出たら直った。
これを聞いた魔術師は悪魔の罠がどんなものかを見破った。
「実に陰湿な罠じゃな、まさに悪魔の罠じゃ」
【解説】
『発狂の洞窟』には
最後の一人になるまで殺し合いをするような幻覚剤がまかれていた。
幻覚剤は壁の穴から霧状に巻かれているため、
気付かれにくくなっている。
最後の一人となった生き残りは
外に出て初めて正気戻るため、
自分の仲間を自分の手で殺してしまったことを認識し発狂してしまっていた。
リィナが
『一人で探索してみたい』
といった理由は、
「何で協力し合っている人たちが出てくる時は一人なのか。
一人で行けば問題ないのではないか」
と考えたため。
…ただ探索してみたいという好奇心の持ち主だったとも言えるが…
一人で行くことを考えなかった理由は
おそらく「危険な洞窟」という意識があったため、
「帰ってくるのはいつも一人。
それほど強いモンスターが多いのだろう。
しかも、冒険者を発狂させるほどのモンスターなのだから…」
などという考えに陥ってしまっていた。
共に旅をしてきた仲間を
自分の手で殺してしまったら
発狂してしまうのも無理はない…
想像してしまうだけで
この罠は本当に恐ろしいと思ってしまう…