俺は12年前工事のミスで洞窟の中に
当時10歳だった少年を閉じ込めたことがある。
その少年が実は生きていて助け出されたと聞いた。
事件現場に行くと所持品がまだ置いてあり、
ボロボロになった服と生活品があったが、
靴だけは見つからなかった。
ネズミなどをとって生活していたらしい。
あれから12年も経っているんだし今22歳か。
会っても全然分からないだろうな。
【解説】
『事件現場に行くと所持品がまだ置いてあり、
ボロボロになった服と生活品があったが、
靴だけは見つからなかった』
小さくなって履けない靴はとっくに履き捨てられているはずなのに
靴だけは見つからないということは
閉じ込められた少年は靴を履いたままだったのだろう。
となると、
少年は10歳の体のままで過ごしたこととなる。
助け出されたのがいつなのかはわからないので、
実はすぐに助け出されたのかもしれないが、
12年間閉じ込められていた可能性もある。
となると、22歳にも関わらず、
体は10歳のまま。
仮に語り手がこの少年と出会ったら
「なぜ子供の姿のまま!?俺は幻覚を見ているのか?俺を祟りにきたのか!?」
などと思ってしまいそうである。
それにしても、工事のミスで少年を閉じ込めたらしいが
閉じ込めた当時はそれを知っていたのだろうか?
仮に知っていたとしたら…
工事のミスとか言いつつ、
実はわざと行ったのではないか?
などと思ってしまう。