ある日悪魔と契約した
問題を解けば何でも願いを叶えてくれる
間違えれば魂を取る
また、ヒント一つにつき、
寿命を一年奪うとのことだ
俺は当然受けた
何が何でも叶えたい夢があるんだ
悪魔が
「では、始める」
と言うと、
赤、黄、青の三つの部屋が現れ、
紙を渡された
【問題】
安全な部屋に入れ
これではわかるわけがない
「ヒントをくれ」
そう言うと紙に文字が浮かびあがった
(1)丸くない部屋は赤い部屋ではない
「なんだこれは!?
ヒントでも何でも無いじゃないか!?」
そう言うと
「途中でやめてもいいが、
そのときはヒントに使った寿命はいただくぞ」
と笑いながら言った
くそ、この悪魔が、と悪魔に言っても仕方がない
寿命を一年も無駄にするわけにはいかないので
次のヒントをもらった
(2)丸い部屋からは生きては帰れない
おお、これで残りは黄色い部屋か青い部屋だな
ちゃんとヒントを貰えることに安心し、
次のヒントを貰った
(3)黄色い部屋は広い
次のヒント!と言い、
もう一つヒントを貰った
(4)広くない部屋は三角の部屋ではない
またこんなヒントか……と少し怒りを覚えたが、
怒りを抑え、次のヒントを貰った
(5)安全な部屋は三角の部屋
よし!と言い、黄色の部屋に入った
悪魔「毎度あり」
『黄色い部屋は広い』
『広くない部屋は三角の部屋ではない』
つまり、三角の部屋は広い。
この時、青の部屋についての言及が一切されていない。
そのため、
黄色の部屋だけでなく、青の部屋も広い可能性がある。
『安全な部屋は三角の部屋』
このヒントでも、
黄色の部屋なのか、青の部屋なのかは特定できない。
しかし、語り手は誘導されたように黄色の部屋を選んでしまった。
正解は青の部屋だったのだろう。
ヒントがなければ1/3で当てられる可能性もあるが、
こういう緊張状態だと頭も回らないだろうから、
こういうヒントという名の誘導に引っかけて、
間違った部屋を選ばせる悪魔は恐ろしい存在である。