私は中学二年生。
数年前のことだけど通学途中に踏み切りがあって
そこがなかなか開かなくて電車が来ないのを確かめて
遮断機が下りているすき間からサッと駆け抜ける生徒たちが後を絶たず。
そんなわけで、
よくそこで事故が起きた。
ある日も踏み切りを渡るとき、
地面の端に置かれた真新しい花束が目に入った。
私は学校に行って
親友のU美にその話をしようとしてもU美が見当たらない。
翌日もその翌日も私はU美に会えなかった。
あれから何年もずっと毎日通学しているのに
U美に会うことが出来なくて悲しい日々です。
【解説】
『地面の端に置かれた真新しい花束』
誰かが電車に轢かれて死んでしまった。
語り手は『私は中学二年生』なのに
『数年前のこと』
『あれから何年もずっと毎日通学しているのに』
と、通学路が同じままなのはおかしい。
つまり、亡くなったのは語り手で
幽霊となっていることに気づかず、
毎日通学している。
しかし、すでにU美は卒業しているはずなので
これからもずっと会うことはできない。