〇月×日
私は幸せ者だ。
学校生活は順調そのもの。
相変わらず不器用でのろまな私だけれど
友達もいて、親友もいる。
最近、優くんという彼氏もできた。
こんな私でいいの?って不安になることもあるけど
やっぱり幸せ。
〇月△日
最近、親友の由美はヘアアレンジをがんばっているみたい。
毎日、いろんなアレンジの髪型で学校へ登校してる。
「すごい可愛い!由美は器用でいいなぁ。」って言ったら
「やってあげようか?」って。
由美、優しすぎるよ。
今日は学校で、編み込みのアレンジをしてもらった。
やり方も教えもらったけど、一人じゃやっぱり難しそうだなぁ。
でも、優くんにも「可愛い」って褒めてもらったから
がんばってみようかな。
〇月□日
最近、急についていない。
ドジなのはいつものことなんだけど…
昨日は、体育中に左足をくじいた。
今日は、右手をドアに挟んだ。
う~、もう痛いのは嫌だよ~。
浮かれすぎてるのかなぁ。
優くんにも心配された。気をつけなきゃ。
〇月◎日
今日はとうとう、頭を怪我してしまった。
自転車通学中に、転んで頭を打って病院へ。
幸い、何針か縫っただけですんだけれど
頭だから、検査とかも必要らしくて
大事を取って入院。
しばらく学校へ行けないのはつらいなぁ。
△月×日
今日は、由美と優くんがお見舞いに来てくれた。
色々、学校の話もしてくれた。
学校へ行けるまで、あともうちょっと。
△月□日
検査も異常なくて、晴れて今日から学校へ!!
でも、なんだか雰囲気がおかしい。
由美が、私のこと避けてる??
私、何かしたかな?
△月◎日
優くんに振られた。
由美と付き合うらしい。
クラスメイトが教えてくれた。
夜中に神社近くで由美がうろついていた事も。
親友も彼氏も失ったけれど、
きっと、これ以上私が怪我をすることはないハズ…。
【解説】
由美はヘアアレンジをする口実に
語り手の髪の毛を入手し、
その髪の毛で呪いをかけた。
『夜中に神社近くで由美がうろついていた』
というのは、
呪いをかけに行っていたから。
『きっと、これ以上私が怪我をすることはないハズ…』
ということは、
語り手も由美の仕業だと気づいたようだが…
親友だと思っていた人に裏切られるのは
本当に辛いことである。
ただ、これが偶然に偶然が重なった結果で、
語り手が逆恨みするようになったら…
それはそれでまた怖い話に発展しそうである。