俺が転校した小学校には
「岡本」「池元」という二人の女の子がいた。
岡本は両親が彼女と兄を置いて家をでてしまい何とか二人暮し。
池元は両親が離婚して父に親権があるため
父親と彼女も兄がいて3人暮らし。
しかし二人はそんなこと顔にも出さず
明るく振舞っている。
そんな中なんと離婚した池元の母ちゃんの研究所に見学に行くことが決まった。
池元の母ちゃんは地球にとって重大な研究をしているという、
岡本はいつも池元を気にかけていた。
俺はある日二人に質問した
「もしも地球最後の日が来たら誰と一緒にいたい?」
二人の答えは意外だった
『やーねー、皆を助けるに決まっているでしょ、
地球最後の日なんか来ないわよ』
いよいよ、見学の日池元の母ちゃんの研究所にやってきた
研究とは地球にやってくる巨大隕石を食い止める
特殊な爆弾をロケットにつけて打ち上げると言うもの
この爆薬は隕石を全て消滅させ
飛来物さえも無くすと言う凄いものだが、
ミサイル化はどうしても不可能らしい、
軌道がずれるというのだ。
もちろんロケットはまだ改良しているから自動であげられる・・・。
「大変です、巨大な隕石が地球に向かってきています!」
「こんなに早く!?」
みんなパニックに陥っている
岡本と池元がロケットに向かって走り出した
そして・・・。
隕石消滅
小学生3人の尊い犠牲の下に地球は救われた・・・・。
【解説】
『やーねー、皆を助けるに決まっているでしょ』
という言葉のとおり、
岡本と池元は地球を守るためにロケットへと乗り込み、
地球を救った。
「皆を助ける」という言葉から
「あなたは残ってみんなと生きて!」
というやり取りがあったかもしれない。
しかし、言い合っている時間もなくなり、
全員で乗り込んだということか。
小学生でこの行動力はものすごい…
ただ、気になることと言えば、
『岡本は両親が彼女と兄を置いて家をでてしまい何とか二人暮し』
と、岡本がいなくなると、
これから兄一人で生きていかなければならなくなる。
岡本が小学生なので、
きっと兄も小中あたりだろう。
その年で一人で生きていかなければいけなくなった。
地球を救ったことは素晴らしいことかもしれないが、
兄としては妹を失ったことで
家族全員いなくなってしまったことになる。
その強い悲しみに耐えつつ、
一人で生きていかなければならない。
この兄のことを考えると非常に気の毒である。