「母子家庭の私をいじめるB子よ、死ね!」
A子は、B子の藁人形に五寸釘を打ちつけながら呪った。
次の日、B子は高校の屋上から落ちて死んでしまった。
「どういうこと?なんだか怖い…」
「もう一人殺したいのがC子よ!」
A子は、C子の藁人形に五寸釘を打ちつけながら呪った。
次の日、C子はホームから線路に転落して轢死してしまった。
「偶然?それとも…」
「もし、私に不思議な力があるのなら、
最後にもう一人殺したい人がいるの…。母親よ。
私の大好きな家庭教師のX先生に色目を使って誘惑する気持ち悪い女。
あの女さえいなければ、私はX先生と幸せに暮らせるのに!」
A子は、母親の藁人形に五寸釘を打ちつけながら呪った。
しかし、次の日、学校から帰ると、母は生きていた。
「そうよね、私にそんな力があるわけないわ…」
X先生「今度の週末は先生が泊まりに来るからね。
合宿勉強だよ。お母さんの許可は取ったから。」
A子「ねぇ、先生。私のこと好き?」
X先生「ああ、大好きだよ。世界で2番目にね。」
【解説】
『今度の週末は先生が泊まりに来るからね。
合宿勉強だよ。お母さんの許可は取ったから』
A子は母子家庭で
X先生が泊まりに来るということは、
X先生はA子の母親と結婚するつもりでいるかもしれない。
したがって、
X先生が一番好きなのはA子の母親。
X先生は
A子やA子の母親のためになりたいと、
A子の望み通りにB子とC子を殺した。
しかし、最愛のA子の母親を殺すことはできなかった。
逆に週末泊まって
A子を殺すつもりなのだろう。
それにしても・・・
B子に対する気持ちはわからないではないものの、
色目を使っているだけの母親を殺そうとするとか、
このA子はかなり問題ある気がする。
母子家庭なのに・・・
そして、
B子にはいじめられていたようだが、
C子には一体何をされたのだろうか?
なんだかどうでも良さそうな呪ったのではないかと考えてしまう。
そのくらいA子が暴走しているように見えて怖い。
X先生の
『ああ、大好きだよ。世界で2番目にね』
という言葉を受けて、
A子は自らの手で殺してしまうのではないだろうか…?
と思ってしまうほどである。
恋という感情は時として怖いものである。