昨日、じーちゃんの家で飯食ってたら(少し痴呆あり)
交通事故起こしたと孫から電話があった。
俺が電話にかわるとあわてて電話切ってたよ。
「お前がここに居るのにそんな筈ないだろ」
と笑って、じーちゃんは言ってそのまま飯を続けた。
帰り際に小遣いまでもらって帰った。
じーちゃんの家に電話なんてかかってくるわけないのに。
だってじーちゃんの孫は、息子夫婦とばーちゃんともども
10年前に交通事故で死んでるのに。
【解説】
『だってじーちゃんの孫は、息子夫婦とばーちゃんともども
10年前に交通事故で死んでるのに。』
とあるように、
じーちゃんの孫はすでに死んでいる。
つまり、語り手は孫ではない。
にもかかわらず、
じーちゃんは語り手を孫だと思っているようだ。
語り手はそんなじーちゃんを騙して、
家に入り込みお小遣いをもらっている。
もしかしたら財産まで狙っているかもしれない。
しかし、文章中には
『少し痴呆あり』
と書かれているものの、
そんな雰囲気は出ていない。
もしかしたら、
語り手は本当の孫ではないと知りつつも、
本当の孫として接したいがために
わざと騙されているのかもしれない。
そうなると、
財産まで渡してしまいそうである。
身寄りがない状態で
人から優しくされてしまえば
そのようなことになっても仕方がないだろう。
語り手が生前に財産をもらったからと
そのままじーちゃんと会わなくなるような
そんなひどい裏切りだけはやめてほしいものである。