ある日、男は仕事で帰りが遅くなってしまった。
「仕方ない、今日はこの宿に泊まるか」
男は偶然見つけた宿に泊まることにした。
宿の女将らしき人に
「こんな深夜に珍しいですね、
では一番右の201号室にお泊まりください」
と言われた。
男は言われた通り201号室に入った。
部屋には、左に有料テレビ、
右に押し入れがある以外なにもない場所だった。
もう遅いし寝ようとして
布団を出すため押し入れをあけたとき、
男は「うっ!」と思った。
押し入れの向こうに人がいて
こちらを睨み付けてきているのだ。
何十秒睨み合っていただろうか、
押し入れの中の男の後ろから
「オイ、いつまであけてんだよ」
と声がした。
そして男はハッとした。
なんだ押し入れを通じて
部屋と部屋が繋がってる構造なんだ。
なんだなんだそうだったのか。
男は安心し、
押し入れの中の男に
おやすみなさいと声をかけて眠りについた。
【解説】
一番右の部屋なのに押し入れで繋がっている?
一体どこに繋がっていたのだろうか…。
って、押し入れに繋がっていようがなんだろうが、
押入れの中に人がいたら怖いでしょうに…。