【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】侵入者

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深夜、2階の自室で眠っていた私は、


階下の妙な物音に気付いてふと目が覚めた。

 

「玄関から誰か入って来た・・・?」

 

そう思った瞬間、バクバクと鼓動が早まった。

 

 

夕方見たニュースが頭をよぎる。

 

(殺人犯、近辺に潜伏中か?捜査大詰め段階)

 

急に脇の下に冷たい汗が流れるのを感じた。

 

幸い、侵入者はまだ1階にいるらしい。

 

「早く逃げなきゃ!」

 

恐怖のために固まった体を必死で動かし、

 

物音を立てないよう静かに窓辺へと向かった。

 

 

忍び足で階段を登ってくる気配がする。

 

侵入者はもうすぐそこまで迫っているのだ。

 

私は窓から屋根に降り、ジリジリと遠ざかる。

 

屋根の縁に手を着き、庭へ足が届いた時、

 

真上にある私の部屋の電気がパッと付いた。

 

「ヤバイ!」

 

私はもう無我夢中で庭を抜け、夜の街を走った。

 

あの時、逃げるのが少し遅れていたらと思うと、

 

いまだに背筋が寒くなる思いだ。

 

少なくとも今のこの生活はなかっただろう

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『玄関から誰か入って来た・・・?』

この侵入者は警察である。

 

つまり、語り手が潜伏中の殺人犯。

 

『(殺人犯、近辺に潜伏中か?捜査大詰め段階)』

とあるが、これは語り手自身が殺人犯であるために、

居場所がほぼバレてしまっていることをニュースで知っていた。

 

だから緊張もあり、少しの物音でも目を覚ますことができたのだろう。

(元々物音で目を覚ます人もいるが)

 

この時に少しでも逃げるのが遅れていたら

語り手は今刑務所の中。

 

だから、

『少なくとも今のこの生活はなかっただろう』

と言っている。

 

ただ、殺人犯に気付かれ、逃げられる可能性もあるから、

普通だったら逃走ルートにも人を配置しておくと思うのだが、

そこまで人員を割くことができなかったのだろうか…?