ある劇団に女の子がいた。
彼女は生まれて初めて役をもらった。
彼女はそれで浮かれていたのもかもしれない。
帰り道彼女が車道に出たところで
交通事故に遭い亡くなってしまった・・・
前から小さな事故は何度もあったが、
死亡者が出たのは初めてのこと。
もうそんなことは二度と起こしてはならないと、
事故があった場所に歩道橋が作られた。
そのおかげで事故はすっかりなくなったのだが
少し奇妙なことが起こるみたいだ。
「この歩道橋は安全のために設置されました」
と書かれた看板や貼紙が、
何度変えても同じ部分がかすれて見えなくなるらしい。
【解説】
『「この歩道橋は安全のために設置されました」
と書かれた看板や貼紙が、
何度変えても同じ部分がかすれて見えなくなるらしい』
何度も消える同じ部分と言うのは、
『安全』の"うかんうり"と"ひとやね"である。
そうなると残った部分は「女王」となり、
「この歩道橋は女王のために設置されました」
となる。
彼女が生まれて初めてもらった役は
「女王様」ということだろう。
初めて役をもらい、浮かれていたところでの交通事故。
ものすごく未練が残っていることだろう…