僕はついに心を決めた。告白しようと。
まだ17年間しか生きてきていないが、一世一代の大仕事だ。
小中高と今まで幾度となく実行しようとはしてきたが、踏ん切りがつかなかった。
勇気がなかった。
失敗することばかり考えて怯えていた。
でも明日は絶対に告白するんだ!
今まで何もできずにいた僕とはオサラバだ!
僕はペンをとり、あの子に対する思いのたけを手紙に綴った。
これをあの子が読んだらどう思うかな…とあの子のことを考えながら書いていた。
書き終わると手紙をかばんに入れ、布団に入った。
ドラマの見すぎと言われるかもしれないが、学校の屋上でやろうと決めていた。
その後は睡魔に襲われよく眠ることができた。
翌朝。僕はみんなより早く登校し、学校の屋上の扉の前まで来た。
やはり決心したとはいえ目の前にすると怖くなる。
しかし僕は意を決して扉を開けた。
・・・終わってみると楽だ。
いい告白ができたと思うが、僕はその返事を聞くことはできない。
【解説】
『僕はその返事を聞くことはできない』
屋上で行ったのは好きな人に対する告白ではなく、
「投身自殺」である。
ここから読み取っていくと、
『あの子に対する思いのたけを手紙に綴った』
というのは自分をいじめていた子に対する
恨みつらみを書いた「遺書」と言えるだろう。
(小中高と実行してきたようなので、
いじめられていたというのが有力)
「遺書」であるため、教室にもよらず、
直で屋上に来たのだろう。
そして、屋上に遺書だけを残して…
つまり、告白というのは「遺書」であり、
あの子というのは「いじめていた人」
屋上での愛の告白と見せかけて、
いじめていた人に復讐するための「投身自殺」と言えるだろう。
『いい告白ができたと思うが、僕はその返事を聞くことはできない』
ということから、どんな反応を取ったのか見たかったところもあるのだろう。
自分が死ぬことで相手に復讐する…
果たしてその考え方はいかなるものなのだろうか…。
いじめていた人は今後の生活の仕方にもよるが、
学生となるとその間は非常に生きづらい時間になるだろう。
漫画などでは、この後にすぐ引越しをするだろうか…。
後ろ指を指されながら生活する、
周りはそう思っていなくても自分自身で
勝手にそう認識してしまう枷となりそうだ。
「復讐」という意味では成功したかもしれない。
しかし…果たして語り手自身はそれで満足なのだろうか?
正直疑問になってしまうところである。
そして、この意味怖であるが、
純粋に「恋愛の告白」と受け取ることもできる。
自分がどれだけ『あの子』のことを好きなのか、を示すために飛び降りた。
なんてことも…。
(ヾノ・∀・`)ナイナイ
なんて思われるかもしれないが、
どのくらい好きかを示すために
とんでもないことを行う人は結構いるようだ。
実際飛び降りまでやったというのを
どこかで見たことがある。
私としては、「恋愛の告白」のためにこのようなことを行った、
と考える方が正直怖く感じてしまうのだが…。